今、お困りだと感じていることは何でしょう?
今、気にかかっていることは何でしょう?
そして本当はどうなりたいのでしょう? それを少しだけお聞かせください。

混乱して何を話したらいいか分からない、という感じだったら、
それも全く問題ありません。
今まであった事を全部、事細かにまとめてきちんと説明しなければ、という心配や緊張はご無用です。

どんな技法を使うかの以前に、何を話しても、話さなくても大丈夫な場所がある、
そういう場所での安心感や心地よさを感じていただくことを、何よりもまず大事にしています。
元々英語のTrauma(トラウマ)の意味は、身体に傷を負うという意味です。アメリカの病院でトラウマケア (Trauma Care) と言えは、身体の外傷の治療を指します。
日本ではトラウマとは、心に傷を負った状態、という意味で使われます。
トラウマと聞くと、災害や暴力的な事件など、生死に関わる様な大変な状況を想像されるかもしれません。実は、トラウマというのは、これまで考えられていたよりもずっとありふれたものであることがわかってきています。
例えば、手術・麻酔など医療処置に関連する体験、転倒・転落、あるいは交通事故で、むち打ち症は治り、医学的には問題ないと診断されてもその後鬱状態や痛みが持続する場合もあります。
映画やテレビで恐ろしい場面を見ただけでも、強い衝撃を受けることがあります。その他大事な人との突然の別離や、転居、学業の失敗などがきっかけとなる場合もあります。

けれども、心は見えないので、それが脅威や恐怖の経験だったかどうかは、あくまでもその人の主観にかかってきます。他人からの判断や見た目で決められるものではありません。 つまり、出来事が何であれ、「自分にとってそれが恐怖や脅威であった」という認識が重要です。

実際には、何が原因か分からないけれど、ずっと心が晴れない、生きづらい、と言われる方も少なくありません。「こんなことは大した事ではない」と自分に言い聞かせて、自分の感じたことをなかったことにしようとすればするほど、気付かない間に心の葛藤を抱えてしまうこともあります。
トラウマ治療のメソッドである ソマティック・エクスペリエンシング® を開発したピーター・ リヴァイン博士は、『トラウマは個々の出来事の問題ではなく、それらの出来事に対して神経系がいかに反応するかという問題である』と結論付けています。 つまり、何が起こったかという出来事そのものよりも、その出来事に対して、身体(神経系)がどのように反応しているのか、そこが重要だということです。
その意味で、トラウマやその体験について「言葉で」語ることは重視されません。身体の状態を感じ、それに呼応して身体が自然に反応し、身体が少しずつエネルギーを解放していくことが重要なのです。 「こんなことでくよくよ悩む自分が弱いんだ」とか、「自分はダメだ」などと思う必要はありません。
「今この場所が安全であること」をしっかりと確かめながら、「今、自分の身体や心に何を感じているのか」を少しずつ観察することから進んでいきます。

カウンセリングでは一般的に、タッチを提供することはほとんどありません。
しかしこのセッションでは、その方のタイミングや必要度に応じて、神経系の自己調整や全体性の調和を図るタッチを提供する場合があります。あくまでも、ご本人の同意がなければ行いません。 自分でセルフタッチをしていただく場合もあります (通常のセッションに含まれます)。

一般的なカウンセリングで、会話重視で解決策を探るとイメージをされている方の中には、あまりに想像と違うので「これで本当に効果があるのか」と、最初の頃は戸惑われる方もおられます。分からないこと、こうしてみたいと思うことなどあれば、セッションの途中でも、どうぞお気軽にご相談下さい。ご希望を尊重し、安全な環境でプロセスを進めてまいります。